不思議な看板
今日は自宅の周りの電柱のあちこちにある不思議な絵の描いてある看板の話。私の住んでいるシェーネベルクの自宅付近にはこのような絵が描かれた看板が数多く存在する。
引っ越して来てからなんだろうとは感じていた。
裏をみるとこんな文字が
「ユダヤ人は合唱団から除名される。1933年8月16日」と書かれている。
他にもあちこちにあり、
例えば、このパンの裏には
「ベルリンのユダヤ人は食料品を午後4時から5時の間に買うことを許される」と書いてある。
このような看板がこの街には80カ所以上ある。
戦前にはこの辺りには多くのユダヤ人、特に富裕層が多く住んでいたらしい。
ナチス時代のユダヤ人に対する迫害の歴史を忘れないように設置されたものらしい。
自らの負の歴史と向き合い、それを見てくださいと言わんばかりに広めるスポットが、ここ、ベルリンには他にも数多く残されている。
ベルリンのこういう姿勢が個人的は好きである。
公園を散歩する親子が子供に「これ、なあに?」という何気ない会話から自分達の歴史を話出すのを想像できる。
ホロコーストの虐殺の惨劇も、日常の小さな変化を見逃して、あるいは見ない振りをして言葉にする努力を怠っていたら、やがて取り返しのつかない事態に繋がっていったのではないだろうかと思う。
同じような歴史につながらないことを願う。
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